夏は汗や皮脂が多いため、女性でも体臭が気になるものです。特に、40歳頃から急に臭い出すのが“頭皮臭”です。「これは夏だから? それとも、もしや加齢臭?」と不安になったりしませんか?
40・50代の女性こそ気をつけたい“頭皮の臭い”の原因と対策についてご紹介します。
■オヤジ臭が大人の女性からも漂うワケ
“頭皮臭”と聞くと、お父さんの枕のニオイをイメージする人は多く、どうしても加齢臭を連想しがちです。そのため、男性特有のものと思われがちですが、加齢臭を引き起こすのは「ノネナール」という化学物質で、これは男女ともに分泌されています。
ノネナールは、皮脂腺から分泌される脂肪酸が酸化してできた成分です。若年層は皮脂腺から脂肪酸が分泌されても、ホルモンの働きが酸化を防ぐのですが、30代頃からホルモンの働きは鈍化するため、スムーズに酸化を防げず、徐々に臭いが増加してしまうのです。
特に皮脂腺の多い頭皮や額、首、耳まわり、わきの下、胸、背中から臭いが強く出るため、40歳を過ぎたら男女問わず、身体の上半身のお手入れに気を配りたいものです。
■「私の頭皮、臭うかも!?」が増えるのは40歳頃
加齢臭の中でも、自分自身で敏感にキャッチしやすいのが頭皮臭です。
ワキ汗や足のニオイなどは若い頃から気を配っているものの、頭皮となると「昔は全く気にならなかったから」と、つい油断してしまう女性も多いのではないでしょうか?
でも、ノネナールが一気に増えだす40歳頃になると、急に頭皮の臭いが強くなり、「あれ!?オヤジ臭が自分から出てるかも……」と不安になるものです。
特に夏は、頭皮に直接紫外線が当たりやすいため、汗も皮脂も過剰に出てしまいます。
頭皮は対面する相手の鼻に近いパーツですから、周囲に不快感を与えないためにも、日頃からきちんとケアをしていきましょう。
■シャンプーの回数を増やしても意味がない
頭皮が臭うと、「一日に2回シャンプーをすればいい!」などと思われがちですが、シャンプーの回数を増やすと、頭皮の皮脂を必要以上に奪ってしまうため、身体は「もっと皮脂が必要! 皮脂を出さなくちゃ!」となり、ベタベタした頭皮環境になります。
これではノネナールの分泌を促すこととなり、本末転倒です。
■シャンプーは寝る前の1回とし、一日の汚れをオフして
クリーンな状態で就寝すると、頭皮環境も正常で健康な状態になりやすいものです。
また、頭皮同様、耳後ろや首も皮脂腺の多いパーツですから、シャンプーやトリートメントのすすぎ残しがないよう意識しましょう。特に耳後ろにはシャンプーの残りカスが溜まりやすいので、丁寧な洗浄を心がけましょう。
■肉食女子は食べ過ぎないこと!
皮脂量と食事の関係性は深く、特に肉や脂、揚げ物などのこってりした食事が過多になると、皮脂の分泌は増加する傾向があります。すると悪臭の原因物質が体内に蓄積されて、頭皮や身体の臭いとなってあらわれます。
肉ばかりを食べる習慣やジャンクフードを好む食生活など、偏食傾向のある人は加齢臭が強くなりやすいので、バランスのよい食事に切り替える意識を持ちましょう。
■濡れたままの髪も臭いの原因に
頭皮の臭いの元としては加齢臭以外にも、雑菌の繁殖があります。
「夏のドライヤーは面倒だから…」と、自然乾燥のまま過ごしていませんか? 半乾きの状態では頭皮に雑菌が繁殖するため、これが悪臭の原因になってしまいます。
暑い時期でも、洗髪後はすばやくドライヤーで乾かしましょう。根元側に水分が残っていると頭皮がいつまでもジメジメしてしまいますから、指やブラシで根元を引き上げて、きちんとドライヤーの熱を当てることがポイントです。
なお、シャンプーやトリートメントのすすぎ残しも臭いの原因になりますから、インバスアイテムを使ったあとは、丁寧なすすぎを行いましょう。
■頭皮ローションを習慣化する
頭皮の老化を防ぐためにも、頭皮ローションによるお手入れを習慣化しましょう。
頭皮ローションは乾燥を防ぐ効果に長けているため、皮脂の分泌も正常化されやすく、結果、臭いの原因となるノネナールの発生も抑えやすくなります。
頭皮ローションを塗布した後は、指の腹を使って頭皮全体をマッサージしましょう。血流が良くなるのはもちろん、ローションがまんべんなく行き渡り、保湿効果が高まります。
ふとした瞬間に自分の頭皮が臭うと、大人女子としては焦ってしまうものです。夏は原因となる皮脂も多いため、特に丁寧なお手入れが必要です。
インバス、アウトバスのケアはもちろんですが、バランスのとれた食生活や、質の良い睡眠、また、ストレスを溜め込み過ぎないことも、臭い対策にはとても重要です。このような規則正しい生活も同時に意識し、夏でも清々しい自分でいたいですね。